小児眼科
ABCDと書かれてある学校からの用紙はなんでしょうか?
視力検査の結果をA,B,C,Dの4段階で表している学校が最近、多い様です。
Aは1.0以上、Bは0.9~0.7、Cは0.6~0.3、Dは0.3未満となります。Aなら、学校での授業には支障はきたしません。しかし裸眼でBの場合でも、仮性近視や初期の近視や乱視,弱視の場合もありますので、眼科を受診して、視力低下の原因についての検査を受けられることをお勧めいたします。
子供の眼はどのように発達していくのでしょうか?
出産直後の赤ちゃんは、明りがぼんやりとわかる程度の視力しかありません。その後、徐々に視力が発達していきます。その時期に、視線が合わなかったり、見るのを邪魔するようなものがあったりする場合、視力は正常に育たないことがあります。
子供の眼は8歳くらいで成人と同じ程度、見えるようになりますが特に5歳くらいまでが最も重要な時期です。両眼視といって、両目で物を見て遠近感を正確に把握する能力がありますが、これは生後1年間に発達していきます。
乳幼児の眼の異常のチェックリスト
乳幼児の出産直後・・・すぐに気づく眼の異常には、まぶたがあかない、眼が揺れる、眼の色の異常、などがあります。
1.まぶたはきちんと開いていますか?
→生後1週間まぶたがきちんとと開かない場合は、まぶたの病気または極端に眼が小さい可能性があります。(小眼球)
2.眼が揺れていませんか?(眼振)
→眼や脳の異常がある場合があります。
3.眼の色はおかしくありませんか?
→黒目が白かったり、茶目が灰色だったりする異常がある場合があります。このような異常がある場合、産婦人科や新生児科の先生が気付くことが多いのですが、ご家族が気付く場合もあります。その場合、できるだけ早く眼科医にご相談ください。
4.乳幼児の涙の量が多くて、いつも眼がぬれていませんか?
→先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)の疑いがあります。
涙を鼻へ流す管が詰まっている場合があります。多くの場合は自然に流れる様になります。しかし目やにが増える様でしたら眼科での治療をお勧めいたします。
1歳までの乳幼児の異常についてのチェックリスト
1.カメラでフラッシュをたいて撮影した写真に、片方の眼だけ違う色に光ってうつっている事がある場合はないですか?
→斜視の可能性があります。
2.常時、同じ眼が光って写真にうつる事はないですか?
→先天白内障や網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)という悪性腫瘍の場合もあります。
以上の様な症状の場合、眼科医へのご相談をお勧めいたします。
生後3ヶ月頃までに、正常な場合、母親の顔をじっと見つめたり、眼で物を追う様になります。この頃の乳児の視力は0.1程度です。しかしまだどこを見ているか正確にはわからない様な時もよくあります。6ヶ月程度になると、視線はおおむね一定になってくる事が多いです。
乳幼児の眼は内側の皮膚が白目にかかっている事もあり、内側に眼が寄りすぎている内斜視の様に見える事があったり、外側に眼が向く外斜視が見られる事もあります。これらは多くの場合、自然に治ってくる事が多いですが、場合によっては本当に斜視の場合もございます。
1歳から3歳の子供の眼の異常のチェックリスト
1歳から3歳頃の子供は、眼に異常が発生しても、その症状を言葉で上手に表現する事はなかなか難しいです。
1.テレビやおもちゃやテレビを極端に近づいて見る事はないですか?
2.まぶしそうに眼を閉じる事が多くないですか?
3.眼を細めて物を見る事が多くないですか?
4.上目づかいや横目づかいなどの目つきをする事が多くないですか?
以上の様な症状が多い場合、眼科医へのご相談をお勧めいたします。
3歳以上の子供の眼の異常についてのチェックリスト
1.視力検査で異常はないですか?
→視力検査で異常な場合、遠視、近視、乱視などの屈折異常の疑いがあり適切な処置が必要です。
3歳程度になると視力検査を受けることが可能になってきますのでおおむね正確な視力がわかります。視力検査は物が見ていても、それが見えたと反応する必要があるので、実際に見えている視力よりも低く判定される場合が多いです。3歳を過ぎる頃になると正常な場合ならおおむね1.0の視力がありますが、検査を受ける事に慣れていないので、0.7程度でも正常と判断されます。遠視や、近視、乱視などの屈折異常で視力が出ない場合もあり、そのまま放置しますと正常な視力に届かない場合がございます。健診で精密検査が必要と言われた場合は、必ず眼科で受診する事をお勧めいたします。