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お子様の近視進行抑制

近代化による近視ブーム

近年では近視の有病率は世界的に増加傾向にあり、発症が低年齢化していると言われています。お子様の近視は発症年齢が低いほど進行しやすく、また、将来的に強度近視になりやすいことがわかっています。

当院では、国内外の最新の研究結果に基づいてお子様の近視進行を抑制する方法を実践しています。

近視進行抑制の方法

当院で行っている方法は3つあります。

  • 点眼治療(マイオピン点眼)
  • オルソケラトロジー
  • 適切な眼鏡処方(完全屈折矯正の重要性)

それぞれの方法は下記に記載します。
近視とはそもそも何が原因となっているのでしょうか。

近視とは

近視とは網膜上に正確に焦点をピッタリあわせる正視に対して、網膜上の前で焦点を結ぶ症状であり、遠くの物を見る際に焦点が合わずぼやけて見える現象を指します。

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近視の正確な原因は現在は解明されていませんが、近年の研究では、大きな原因として
遺伝環境が関わっていることがわかっています。また最新の研究では幼少期に屋外活動による光環境(バイオレット光)、運動、遠方視の重要性も注目されています。
遺伝性の近視は大半が軸性に分類され、近視の進行抑制はいかに眼軸長の伸長を抑制できるかがポイントとなります。

近視は発症年齢が低い程進行しやすく過度に眼軸長が伸展することで、網膜剥離、緑内障、飛蚊症、黄斑変性症の発症リスクが高まります。

点眼治療(マイオピン点眼)

マイオピンとは小児期の近視進行抑制を目的に配合された点眼液です。
毎日寝る前に両眼に1滴ずつ点眼することにより近視進行を抑制します。
シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発され、日本で既に商標登録済みです。

マイオピンってどんな目薬?

マイオピンの説明には欠かせないのはアトロピン硫酸塩という点眼薬です。ぶどう膜炎などの治療に使われる薬ですが、アトロピン1%は近視の進行を遅らせることがわかっていました。
しかしながら、アトロピン1%には副作用が多く、実用的でないことが課題でした。

  • 瞳孔が開き続けることによるまぶしさと強い光による不快感や目の痛み
  • 遠近調節機能(手元を見る作業)が低下し、読み書きの作業が困難になる
  • アレルギー性結膜炎及び皮膚炎を引き起こす可能性がある

そこで低濃度アトロピン(0.01%)を開発し臨床試験をした結果、2年間に亘り近視の進行を50~60%遅らせ、副作用は仮に発生しても非常に軽微であることが証明されました。
その低濃度アトロピン(0.01%)がマイオピンです。

マイオピンのメリット

数々の研究によりマイオピンはアトロピン1%と異なり副作用が少なく、近視症状の進行を効果的に軽減させることが証明されています。

  • 副作用がほぼ皆無の良好な近視抑制用点眼液
  • 近視の進行を平均60%軽減
  • 光のまぶしさに殆ど影響がない
  • 目の遠近調節機能(手元をみる作業)に殆ど影響がない 
  • アレルギー性結膜炎、皮膚炎を引き起こさない
  • IOP(眼圧)に変化が無い

また2018年の最新の研究では、軽度近視にはオルソケラトロジーとの併用が有効であったという臨床結果も出ています。(自治医科大学附属さいたま医療センター眼科による研究。2018年4月までの1年間併用42例、単独35例、2年間併用26例、単独25例、計128例を元に)

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーとは、オルソケラトロジーレンズという特殊なハードコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の形を変化させることで、日中を裸眼で過ごすことができるようになる近視矯正法です。お子様の眼軸伸長を抑制する効果が確認されており、近視抑制効果があるとされています。

詳しくはオルソケラトロジーの専門ページをご覧ください。

適切な眼鏡処方(完全屈折矯正の重要性)

近視は眼鏡をかけることでは進まない

「眼鏡をかけ始めたら一気に近視が進んだ」という話を聞いたことありませんか?非常に多い質問ですが、結論から言うとそれは迷信です。上記に軸性近視について書きましたが、成長期はどんどん身体が成長するため眼軸も伸長しやすいとされています。

つまり眼鏡を装用しなくても近視は進行するため、「裸眼で頑張った方が進行しない」はお子様にとってデメリットばかりです。(授業中に黒板が見えにくいことによる能率の低下、スポーツや屋外で遊ぶ際に見えていないことによるケガ、目を細める癖がつき目つきが悪くなるなど)

適正な度数の眼鏡は?完全矯正VS低矯正

適正な近視補正の眼鏡とはどんな度数か。
弱い方が進まない?よく見えている方がいい?
2014年に発表された海外での研究結果によると、11歳から33歳の近視患者に8年間症例を取り続けた結果、眼鏡が低矯正であるほど近視が進行したといデータがあります。
(出典Vasudevan B,Esposito C,Peterson C et al:Under-correction of human myopia - is it myopigenic? Aretrospective analysis of clinical refrection data. J Optom 7:147-152,2014)

遠くから近くまで常にクリアな見え方をしている方が、近視進行抑制には有利とされ始めています。
当院では、お子様の処方に慎重に対応し、必要に応じて点眼薬を用います。

点眼薬によりピント合わせの力を一時的に麻痺させ(種類によりますが数時間~2,3日で元に戻ります)屈折値を計る機械を併用することで実際の検査結果を裏付け、最も最適な完全矯正値をお出しします。

眼鏡はこれからも進化する

現在も各国で様々な研究がされており、累進多焦点、軸外収差抑制、二重焦点などの近視進行抑制効果を狙った特殊眼鏡が試されています。
今後さらに効果的な方法も期待できるかもしれません。

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