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緑内障の診断・治療

緑内障とは

緑内障とは、視神経に障害が出て、視野が欠けていく病気です。

40歳以上の人では、17人に1人の割合で発症しており、失明の原因としては、糖尿病性網膜症に次いで2番目に多いものとなっています。
目の成人病とも言われていて、360万人ほどの患者さんがいるとされています。
家族に緑内障を発症している人がいる場合には、本人も発症しやすいとされています。 このため、近親者に緑内障の人がいる場合には、定期的に眼科検査を受けることをおすすめします。

この他にも、高血圧や糖尿病、冷え性、頭痛、強い近視、遠視は、緑内障の原因となったり、緑内障の症状として出たりする可能性がありますので、注意しましょう。 緑内障を発症する視神経の障害の原因についてはいくつか挙げられますが、まずは眼圧の管理が重要になってきます。

緑内障の原因

緑内障の明らかな原因はまだ解明されていませんが、眼圧の上昇が原因の一つと言われています。

緑内障の種類

緑内障にはいくつかの種類がありますが、眼圧が高くなる原因によって主に原発緑内障、先天性緑内障、続発緑内障に分けられます。原発緑内障や続発緑内障はさらに開放隅角(かいほう ぐうかく)、閉塞隅角(へいそく ぐうかく)に分けられます。

緑内障の治療について

OCT眼圧をコントロールすることで、進行を抑えられることがわかっていますので、まずは点眼剤による治療をおこないます。

また、当院では、最新医療機器OCTによる緑内障の検査・診断が可能です。

緑内障は自覚症状が現れにくい病気です。また、一度失った視野を取り戻すことができない病気ですので、40歳を超えたら、眼圧・眼底・視野検査などを定期的に是非ともお受けください。

1.緑内障の治療・薬物療法

薬物療法は、房水の産生を抑える薬や、房水の流出を促す薬を点眼して眼圧を下げます。緑内障のタイプ、眼圧、他の病気の有無などに応じて、まず一種類の点眼薬を処方し、様子をみながら途中で変更したり、複数の点眼薬を組み合わせて処方したりしますが、点眼薬だけでは効果が不十分な場合、内服薬を併用することもあります。

急性緑内障の場合や、薬物療法では眼圧コントロールが不十分な場合は、レーザー治療や手術を行います。

2.緑内障の治療・レーザー治療

レーザー治療には主に二つの方法があります。一つ目の方法は、レーザーを使って虹彩に穴を開けて、眼の中の房水の流れを変えるというものです。これは、閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)の治療に用いられます。二つ目の方法は、レーザーを線維柱体にあてることで房水の排出を促進するというものです。これは、開放隅角緑内障の治療に用いられます。レーザー治療は比較的安全で、痛みは極軽度であり、入院する必要もありません。もう一つは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)に効果があります。レーザー治療の痛みは極軽度で外来で行うことができます。

3.緑内障の治療・手術

手術は薬物療法やレーザー治療で効果が得られなかった場合に行われる治療です。

線維柱体を切開して房水を流れやすくする方法や、毛様体での房水の産生を抑える方法などがあります。これは、体への負担が少なく、高齢の方でも受けることができます。

眼圧とは?

眼圧は、眼球の中で内側から外側にかかっている圧力のことを指しています。 眼圧によって眼球はその形を維持することができていて、網膜も皺ができないように張った状態になっています。
眼圧が高く、視神経乳頭が圧迫され続けることによって、視神経の線維が切れてしまう可能性があります。 この神経線維が切れてしまった部分の影響で、見えない場所ができてしまいます。 視神経は100万本あると言われていますが、歳を重ねるにつれて減少していきます。
視神経の数が半分くらいまで減ってしまうと、視野検査などで異常ありとなると思います。 神経機能は1度失われてしまうと、元に戻ることがありませんので、十分な注意が必要です。

一般的に緑内障は眼圧が高くなることによって発症しやすくなりますが、最近では眼圧が正常値であっても発症する正常眼圧緑内障の患者さんが増えています。 眼圧の基準値はありますが、眼圧にも個人差があるため、その数値がすべての人に当てはまるわけではありません。
中には眼圧が基準値を超えていても、視神経に障害が出ない人もいます。 このような状態を高眼圧症と言いますが、将来的に緑内障を発症する可能性が高い状態ではあるので、定期的に眼科検査を受けることをおすすめします。

高眼圧症とは反対に、眼圧が基準値の範囲内で合っても、緑内障を発症してしまうケースがあります。 このような状態を低眼圧緑内障または、正常眼圧緑内障と言います。

房水とは?

血液の代わりに栄養などを運ぶ、眼の中の液体のことです。毛様体で作られた房水と、シュレム管から排出される房水のバランスが一定に保たれることで、適切な眼圧が保たれます。

房水と眼圧の関係

通常、眼圧は房水の働きによって一定に維持されています。
房水は、角膜と水晶体の間を流れていて、酸素や栄養素の運搬や老廃物の排出の役割を担っています。
房水の産生と排出のバランスをうまく保つことができていれば、眼圧にも影響が出ませんが、何らかの原因によってこのバランスを保つことが難しくなると、眼圧が上がってしまいます。

房水の産生と排出のバランスの乱れについては、主に排出の方に異常が出て、眼圧が上がるとされています。
房水が適切に排出されなかったとしても、毛様体では房水が作られ続けるので、結果的に眼内の房水の量が増えすぎて、眼圧が上がってしまうのです。
眼圧はその時の環境やその人の状態によって、房水の機能に異常がなくても変動します。

眼圧の正常値は10~20mm/Hgとなっていますが、眼圧の上昇がわずかであっても視神経には大きな影響になりかねないので、注意が必要です。

緑内障の自覚症状は?

緑内障の9割の患者さんには自覚症状がないと言われています。その理由としては、緑内障では見える部分の周辺から徐々に視野が欠けるため、かなり病気が進行してから見える部分の中心部に影響が出ることが多いからです。
また、視覚に両眼視機能が備わっているため、片目の視野が欠けたとしても、もう片方の目が欠けた視野を補って、視野が適切に維持されていると感じてしまいます。

例えば、片目の6割ほどの視野が失われていても、目の異常に気がつかない患者さんもいます。

緑内障の種類

緑内障は原因によって種類が分かれています。

原発緑内障

1番多いのは原発緑内障で、眼圧が上がる原因が特定できません。
この原発緑内障は房水の排出の異常の出方によって、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障、混合型緑内障の3つに分かれていきます。
最近の日本人に多くみられる正常眼圧緑内症は原発開放隅角緑内障に含まれています。

  • 原発開放隅角緑内障

原発開放隅角緑内障は、緑内障の約80%を占めていて、房水が排出されるときに線維柱帯が詰まって、房水の通りが悪くなり、眼圧が上昇することによって緑内障を発症するタイプです。

線維柱帯は、網目状でフィルターの役割をしていますが、老廃物が処理しきれないほど溜まると詰まってしまうと考えられています。
隅角が完全に塞がれるわけではなく、房水の流れが悪くなるので、高眼圧の状態が慢性的に続きます。
このため、進行も比較的ゆっくりで、自覚症状がほとんどないことが特徴です。
正常眼圧緑内障は原発開放隅角緑内障に分類されますが、眼圧が高くなる原発開放隅角緑内障とは異なって、眼圧が高くなくても視神経に障害が起きて、視野欠損を起こしてしまいます。

日本人に多いとされており、原発開放隅角緑内障の90%が正常眼圧緑内障となっています。
正常眼圧緑内障の原因はよく分かっていませんが、眼球の構造や視神経の抵抗力、毛細血管の血流が関係しているのではないかと推測されています。
また、眼圧の正常値については目安ですので、視神経が障害される眼圧には個人差があります。
眼圧が正常値を超えていても、緑内障を発症しない人がいる一方で、正常値が正常であっても緑内障を発症する人がいます。
正常値が欧米での統計に基づいて設定されているので、日本人には適切ではないと考える眼科医師もいます。

正常眼圧緑内障の場合は、眼科健康診断の眼圧検査だけでは発見することができませんので、眼科での精密検査が必要になってきます。
正常眼圧緑内障の進行速度については原発開放隅角緑内障よりも緩やかだとされています。
末期の段階になっても視野の中心は見えることが多いので、症状に気が付かないこともあります。しかし、緑内障は失明する可能性がある病気となっていますので、早期発見が大切になってきます。

自覚症状としては、視野欠損や視力の低下、目の疲れ、頭痛などがありますので、気になった場合には眼科を受診して眼科検査を受けましょう。
緑内障を発症する時期が老眼を発症する時期と重なることがあるので、判断が難しいと思いますが、放置せず対処していきましょう。
眼圧だけでは判断することができない正常眼圧緑内障の場合、視野検査や眼底検査が必要になってきますので、40歳を超えたら眼科で定期的に眼科検査を受けるようにしましょう。

  • 原発閉塞隅角緑内障

原発閉塞隅角緑内障は、隅角そのものが狭くなることが原因とされています。
眼球の多くの部分は強膜によって覆われていて、眼圧が上がったときにダメージが軽減されるようになっていますが、視神経乳頭については圧力に弱いとされています。

このため、眼圧が上がったときに視神経乳頭がダメージを受けやすく、圧迫されることにより視神経に血液が届かなくなり、栄養障害に繋がってしまいます。
この病気については、前眼部の容量が水晶体と比較して小さい人に発症しやすいとされています。

年齢を重なるにつれて、前房が浅くなって水晶体と虹彩が近づくと、水晶体と虹彩がくっついたり、虹彩が角膜の方へ押されたりすることがあります。
また、暗いところでは瞳孔が開いて隅角が狭くなるので、昼間よりも夜間に発作か起きやすいとされています。
夜間に発作が起きた場合にも、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

原発閉塞隅角緑内障には慢性のものと急性のものがあって、少しであっても房水が排出されている場合には慢性のもので、突然隅角が閉じてしまう場合が急性のものとなっています。
急性の場合には、突然隅角が閉じることによって、眼圧が急激に上昇し、発作が起きることがあります。

原発閉塞隅角緑内障の発作の起因としては、下を向いて作業をする時や極度に感情が高ぶった時、暗いところで作業をする時、生活リズムが崩れてストレスが溜まっている時、眼科の検査で散瞳薬を使った時などが挙げられます。
急性の発作が起こる割合としては、閉塞隅角緑内障の20%とされています。
緑内障全体で見ると、2%以下となっていますが、先天的に隅角が狭い場合や、慢性の閉塞隅角緑内障と診断されている場合には、発作を起こすような行動をなるべく控えるようにしましょう。

原発閉塞隅角緑内障の発作が起きた場合には、視界に霧がかかったようになって見えにくいと感じたり、光の周りに虹が見えたりすることがあります。
この際、頭痛や吐き気、目の痛みを伴うことがあります。
また、眼科で診察を受けると、結膜の充血や角膜の浮腫や濁り、瞳孔の開きなどが見られます。

この状態を放置すると数日で失明してしまうので注意が必要です。
急性の発作の場合、目のかすみや痛み、吐き気、頭痛の症状が見られますので、眼科以外を受診して対処が遅れてしまうことがあります。
緑内障の自覚症状がなくて、発症していると気が付いていない場合にはこのような事例が少なくはありません。
このため、目に違和感が出た場合には、まず眼科を受診するようにしましょう。

続発緑内障

2つ目の続発緑内障は、目の外傷や、ブドウ膜炎、眼内の悪性腫瘍、網膜剥離の手術、糖尿病、ステロイド剤の副作用などが原因となって、眼圧が上昇し、視神経に影響が出る病気となっています。

続発緑内障には、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2種類があります。
開放隅角緑内障の中では、水晶体嚢性緑内障が多いとされています。
水晶体嚢性緑内障は、虹彩や、水晶体、隅角などにアミロイド物質が沈着することが原因で発症します。

高齢者によく見られていて、眼圧が30~40mmHgと高めであることが特徴となっています。
病気の原因や種類によって治療法も異なってきますが、眼圧を下げることを目的に眼科薬物療法やレーザー治療、眼科手術療法が選択されます。

  • ステロイド剤が原因の場合

房水の排出口が詰まって、眼圧が上昇してしまいます。

  • 目の外傷が原因の場合

房水の排出口の機能が低下して、眼圧が上昇してしまいます。

  • ブドウ膜炎が原因の場合

炎症によって虹彩が押し上げられ、隅角が閉塞することによって眼圧が上昇してしまいます。

  • 角膜炎や糖尿病が原因の場合

酸素を取り入れるために新生血管が作られて、隅角が閉塞することによって眼圧が上昇してしまいます。
多く見られる原因としては糖尿病網膜症やぶどう膜炎が挙げられます。

糖尿病網膜症は糖尿病の合併症の1つで、新生血管によって隅角が塞がれることがあります。
このように緑内障を引き起こす可能性のある持病がある場合には、優先して治療していくようにしましょう。

緑内障を引き起こす可能性がある薬としては、長期間使用するステロイド剤が挙げられます。
ステロイド剤は、喘息やアトピーの治療薬として使用されていますが、眼圧に影響を与えることがあります。
眼圧の上昇の原因がステロイド剤の場合には、ステロイド剤の量を調節してもらいましょう。

発達緑内障

3つ目の発達緑内障は先天的に隅角に異常があって、房水の排出に影響がでることが原因となっていて、3万人に1人に発症する病気となっています。
発達緑内障の80%は生後1年以内に発症するとされていますが、ある程度してから発症することもあります。

発症する年齢によって種類が分かれていて、1歳までに発症する早発型と、10~20代に発症する遅発型があります。
早発型では、涙が多く出たり、光を眩しく感じたり、黒目が白く濁ったり、黒目が大きくなったりするなどの症状が出ます。
遅発型では、早発型のように比較的わかりやすい症状が出ないため、発見が遅れることも珍しくありません。

早発型の場合には、薬物療法による効果が出にくいため、早急に眼科手術を行う必要があります。
眼科手術では、線維柱帯切開術や、隅角切開術が選択されます。

レーザー繊維柱体手術(ALT)とは?

これはレーザーを照射することで、房水の通りをよくする方法です。この治療方法には、効果の持続が短いことと、何度も施行すると線維柱体の組織が破壊されて、合併症を引き起こすという欠点があります。この治療は、開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)の治療として行われます。

レーザー隅角形成術(ぐうかくけいせいじゅつ)とは?

これは、房水の通り道を塞いでいる虹彩にレーザーを照射して隅角(ぐうかく)を広げ、緑内障を改善する方法です。

緑内障の手術時間はどのくらいですか?

手術の種類によりますが、10分~90分程度の時間がかかります。

眼圧の正常値は?

10~20mmHgが眼圧の正常範囲です。

緑内障は治らないのですか?

一度障害を受けた視神経をもとに戻す方法はないため、完治させることはできません。

したがって、緑内障の治療は病気の進行を食い止めるために、眼圧を下げることが基本となります。

身内に緑内障患者がいます。眼の健診が必要でしょうか?

緑内障は遺伝することがあり、身内に緑内障の方がいる場合、一般の発症率よりも高くなる傾向にあるので、早めの精密検査をおすすめします。

緑内障のチェック項目

緑内障を早期発見するためには、定期的に自己チェックしたり、眼科検査を受けたりすることが大切になってきます。

急性の場合を除いて、症状はゆっくり進行していきますので、定期的にチェックを行って、見え方に変化がないか確認していきましょう。
チェック項目をいくつか紹介していきます。

  • 最近視力が低下していると感じる
  • 激しい頭痛を感じる
  • 目に激しい痛みをよく感じる
  • 光の周りに虹が見える
  • 視野が欠けていると感じる
  • 目が疲れることが頻繁にある
  • 吐き気を感じる
  • 目が充血することがある
  • 目がかすむことがある
  • 強い近視になっている
  • 冷え性になっている
  • 家族の中に緑内障を発症している人がいる

チェックが多い場合には、眼科を受診して眼科検査を受けましょう。
これらの項目はどれも緑内障の典型的な症状として挙げられるものとなっています。

特に40歳以降で、強い近視や激しい頭痛、冷え性に悩んでいて、家族に緑内障を発症している人がいる場合には、現時点で視野に何の異常がなくても、眼圧が正常であるのに失明する恐れのある正常眼圧緑内障の可能性があります。
この正常眼圧緑内障は、長い期間をかけて徐々に視野に変化が現れる病気となっています。

読書などずっと下を見ている状態の時やストレスが溜まっているとき、疲労が溜まっているときなどに、目や頭が痛くなったりする場合には、原発閉塞隅角緑内障の可能性も考えられます。

緑内障の検査

緑内障を診断するための眼科検査では、緑内障の主な症状である眼圧が高いこと、視野が欠けていること、視神経に障害が出ていることを確認するために、複数の眼科検査が必要になってきます。
緑内障には、初期から中期段階にかけては、自覚症状がそれほどないという特徴がありますので、早期発見や早期治療をするためにも、定期的に眼科検査を受けることが大切になってきます。

緑内障の検査としては、眼科問診から始まって、患者さんの症状に合わせて視力検査や、屈折検査、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、視野検査、画像検査などが行われます。

その結果をもとに、眼科医師が緑内障の種類を診断したり、現状を確認したりして、今後の治療方針を決めていきます。
治療開始後は、治療の経過や効果を確認するために、定期的に眼科検査を受ける必要があります。

眼科問診

筆記や口頭で眼科医師に現代の状態を伝えます。

視力検査と屈折検査

視力や屈折の度合いを測定していきます。

眼圧検査

眼球の圧力の数値を測定していきます。

隅角検査

房水の排出口である隅角の状態を確認してきます。

眼底検査

眼球の底のある視神経の状態を確認していきます。

視野検査

左右の目の見えている範囲を確認していきます。

画像検査

網膜の断面を確認していきます。

細隙灯顕微鏡検査

眼内を詳しく確認していきます。

緑内障と眼科問診

眼科を受診すると、最初に眼科問診が行われると思います。
受付を済ませると、問診表を記入するように案内されると思います。
この時に、自分の現在の状態を正確に眼科医師に伝えることが大切になってきます。

眼科医師に症状を正確に伝えるためにも、事前に現在の症状や、アレルギー、服用している薬、今までの病歴、家族の病歴などを確認しておくようにしましょう。
実際に病院に行くと、緊張して伝え忘れてしまうこともありますので、紙に書いてまとめたり、おくすり手帳を持参したりすることもおすすめです。

  • どのような症状がいつから出ていますか。
  • 現在痛みはありますか、あるのであればどのように痛みますか。
  • 現在目以外にも、全身に症状が出ていますか。
  • 以前測定したときの視力はいくつでしたか。
  • 持病がありますか、ある場合には現在どのような状態ですか。
  • 現在服用している薬はありますか。
  • 薬のアレルギーはありますか。
  • 目の病気になったことはありますか。
  • 目に怪我をしたことはありますか。
  • 家族で目の病気になったことがある方はいますか。
  • 喫煙をしていますか。

緑内障と視力検査・屈折検査

視力検査は目の状態を確認するために欠かせない眼科検査となっています。
視力検査には遠見視力検査と近見視力検査があります。
一般的によく行われているのは遠見視力検査です。

近見視力検査が30cm離れたところから視力を測定するのに対して、遠見視力検査では5m離れたところから視力を測定します。
視力検査は近視を調べる検査ではなく、焦点を合わせる機能を測定する検査となっています。

急に視力が低下した場合には注意が必要です。
その原因としては、屈折異常の悪化や老眼、角膜や水晶体、眼底の異常が考えられます。

屈折検査では、角膜や水晶体の屈折機能に問題がないか確認していきます。
近視や遠視、乱視の有無や度合いも屈折検査で確認することができます。
視力検査や屈折検査の結果をもとに、どのぐらい視力が低下しているのか、どのくらい屈折に異常が出ているのかを診断して、治療方針が決められていきます。
視力検査や屈折検査は、緑内障だけではなく、白内障や加齢黄斑変性などの眼科診断にも使われています。

緑内障と眼圧検査

眼内の圧力のことを眼圧と言います。
眼圧検査では、眼球を外から押して、それを押し返す力を測定していきます。
角膜を器具で押していく検査には圧入式と圧平式があります。

圧入式では、へこんだ深さを測定していきます。
圧平式では、角膜が平らになるまでの力を測定していきます。
角膜を器具で直接押す方法の他に、角膜に触れることなく空気を吹きかけることによって眼圧を測定する方法もあります。
この場合、麻酔をする必要がなく痛みもありませんが、測定値に誤差が生じやすいので注意が必要です。

健康な眼圧の基準は10~20mm/hgとなっています。
眼圧が高いと、視神経に影響が出て、視力が低下したり、視野が欠けたりすることがあります。
眼圧の高さが緑内障に関係していることもありますので、注意が必要です。
ただ、最近の日本人によく見られる正常眼圧緑内障においては、眼圧が正常範囲内であっても、視神経に影響が出てしまいます。

眼圧の基準値については、現在見直す動きも出ており、20mm/hgであっても再検査や精密検査を勧められることがあります。
逆に眼圧が低い場合には、網膜剥離や脈絡膜剥離を起こしている可能性があります。

緑内障と隅角検査

角膜と虹彩が交わる隅角に、眼圧を左右する房水の排出口があります。
隅角検査によって隅角の開き具合を確認することは緑内障を診断するために大切になってきます。

眼科検査内容としては、医療用のコンタクトレンズを目の上にのせて、細隙灯顕微鏡を使って隅角の状態を確認していきます。
緑内障と診断された上での隅角検査においては、その結果によって、隅角が広い場合には開放隅角緑内障、隅角が狭い場合には閉塞隅角緑内障と診断することができます。

細隙灯顕微鏡を使うことによって、隅角だけではなく、目のほとんどの部分の状態を確認することができます。
緑内障の他にも、加齢黄斑変性やブドウ膜炎、糖尿病網膜症、外傷などを診断することができます。

緑内障と眼底検査

眼底とは眼球の1番奥にある部分を指します。
眼科検査内容としては、瞳孔に光を当てて、網膜や視神経、硝子体の状態を見ます。
目の検査としては一般的で、眼科健康診断においても項目に入っています。
眼底検査を行うときには、瞳孔を開いた状態にする必要があります。
瞳孔は暗いところで広がる仕組みになっていますので、検査は暗い部屋で行われます。

散瞳薬という瞳孔を開く点眼薬もあり、状況に応じて使われています。
眼底検査にはいくつか種類があり、倒像眼底検査や直像眼底検査、眼底カメラ検査などがあります。
倒像眼底検査は視神経や黄斑部を検査する際に適しています。
直像眼底検査は網膜や網膜剥離を検査する際に適しています。
眼底カメラ検査では眼底の画像を撮ることができます。

画像を撮る際にはフラッシュによってしばらく光の残像が残ることがありますが、元に戻るので心配はありません。
眼底検査では、視神経や網膜の血管の状態、白斑の有無が分かります。
網膜の血管を見ることによって、全身の血管の状態を推測することも可能なので、高血圧や動脈硬化の影響を知ることもできます。

眼底検査によって発見することができる病気としては、緑内障や白内障、網膜剥離、糖尿病網膜症などが挙げられます。
特に視神経乳頭陥凹の症状が現れる正常眼圧緑内障は、近年増加しており、精密検査を受けて確認することが大切になってきます。

眼底出血が確認された場合には、糖尿病や高血圧が原因となっている可能性があります。
糖尿病網膜症場合には、網膜症の治療に加えて、内科での治療も必要になってきます。
高血圧や動脈硬化の状態が続くと、動脈の血管が狭くなって、網膜に出血や白斑、浮腫が見られることがあります。
この状態が進行すると、視神経乳頭にも浮腫が起きて、視力に影響が出ることがあります。

緑内障と視野検査

視野検査では、見える範囲や感度を検査していきます。
視野とは、片目で見ることができる範囲のことです。
視野については、色や明るさに影響されますので、見える感度も検査していきます。

視野検査では光を使いますので、暗い部屋で検査を行っていきます。
正常な状態においての視野は、上に60度、下に75度、鼻側に60度、耳側に100度とされています。
ただ、日常生活では、両目で物を見ているので、片方の目の視野がどのくらいあるのかということや、視野が欠けているのかということを自分で判断することは難しいと思います。

視野検査は2つに分かれていて、ゴールドマン視野計を使って、視野の全体を測定する動的視野検査と、自動視野計を使って、網膜の中心部の感度を測定する静的視野検査があります。
視野検査と眼底検査の結果を合わせることによって、緑内障の進行具合を判断することができます。
緑内障以外にも、網膜剥離を診断する際に使われている眼科検査となっています。

この眼科検査では、網膜や視神経の状態を確認することができます。
視野に異常が見られる場合は、緑内障や網膜剥離、加齢黄斑変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、視神経の炎症などが考えられます。

緑内障と画像検査

画像検査では、光断層干渉計(OCT)という機械を使って、網膜の断層を画像として残します。
光干渉断層計検査では、眼底に弱い赤外線を当てて、反射した波形を記録することで網膜の断層を確認することができます。
光干渉断層計による網膜の断面画像は精度が高いので、病気の原因や経過、網膜組織の状態を詳しく知ることができます。

緑内障に関しても、視神経乳頭の陥没の状態や、網膜の神経線維の厚さを測定することができます。
光干渉断層計検査と眼底検査の結果を組み合わせることによって、視野検査のみでは確認することができなかった初期段階の緑内障を発見することが可能になってきました。

診断だけではなく、治療開始後の経過観察にも役立っています。
緑内障以外にも、加齢黄斑変性や、網膜剝離、糖尿病網膜症の診断などにも使われる検査となっています。

緑内障と細隙灯顕微鏡検査

細隙灯顕微鏡検査は眼球の状態を見る基本的な眼科検査の1つです。
この眼科検査では光を使いますので、暗い部屋で検査を行っていきます。
眼科検査の内容としては、細い光で目を照らし、顕微鏡で拡大して確認していきます。
顕微鏡のレンズは性能が高く、内部を立体的に観察することが可能になっています。

この眼科検査では、まぶたや結膜、角膜、前房、虹彩、水晶体、硝子体、網膜などを観察することができます。
この他にも、コンタクトレンズが目に合っているかを確認する際に細隙灯顕微鏡が使われることがあります。

緑内障と精密検査

眼科での精密検査には、網膜電位図検査や超音波検査、隅角検査、蛍光眼底造形検査などがあります。

網膜電位図検査

角膜や水晶体の濁りによって眼底検査を行うことができない場合に網膜電位図検査が行われます。
眼科検査の内容としては、麻酔薬の点眼後、電極が入ったコンタクトレンズをつけ、網膜の光に対しての電気反応を検査していきます。
網膜剥離や網膜色素変性、加齢黄斑変性症の場合、この電気反応が弱くなります。

超音波検査

超音波を使って目の中の状態を確認していきます。
網膜剥離や硝子体出血、腫瘍の有無、眼球の大きさ、角膜の厚さを調べることができます。

蛍光眼底造形検査

腕の静脈から蛍光色素を入れた造影剤を注射して、眼底の血管を観察します。
この検査によって眼底出血や加齢黄斑変性症を診断していきます。

目は敏感な器官なので異変に気が付きやすいと思いますので、気が付いた場合には早めに眼科を受診しましょう。
ちょっとした違和感だからといって放置してしまうと、失明してしまうこともありますので、十分注意してください。

特に注意してほしい症状としては、急激な視力の低下や痛み、涙が流れ続けることが挙げられます。
医療機関の種類としては、大学病院や総合病院、クリニックなどがありますが、定期的に目の状態を確認するためにかかりつけ医を見つけておくと安心できると思います。
満足のいく治療を受けるためには、眼科医師と患者さんの間の信頼関係が大切になってきます。
自分の目の状態を眼科医師に説明して、コミュニケーションを取りながら眼科治療を進めていきましょう。
病気の原因や種類によって眼科治療法も異なってきますが、眼圧を下げることを目的に薬物療法やレーザー治療、手術療法が選択されます。

緑内障と薬物療法

眼科での精密検査には、網膜電位図検査や超音波検査、隅角検査、蛍光眼底造形検査などがあります。

原発開放隅角緑内障

原発開放隅角緑内障を発症していて、眼圧が高い状態が続いている場合には、点眼薬を使った薬物療法で眼圧を下げていきます。
点眼薬には、房水の産生を抑制したり、房水の排出を促進したりする作用があります。
この点眼薬で効果が見られない場合には、内服薬が処方されることもあります。
ただ、内服薬には副作用があり、長期間使用することができないので注意が必要です。

薬物療法で効果が見られなかった場合には、レーザー治療や手術療法も視野に入れていきます。
レーザー治療の内容としては、老廃物が溜まって房水の流れが悪くなっている線維柱帯を改善していきます。
手術療法の内容としては、強膜に穴をあけて隅角を広げることによって、眼圧を下げていきます。
レーザー治療や手術療法でも、眼圧が再び上昇することを防ぐために点眼薬で調整していく必要があります。

正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障の場合も、視神経が圧迫されない程度に眼圧を下げていくことが優先事項となってきます。
それに加えて、正常眼圧緑内障の場合では、眼底の血液循環の悪さが影響していることがありますので、この場合、血流を改善するための薬が処方されます。
いくつかの薬を使っても、緑内障の進行が止まらない場合には、手術療法を視野に入れていきます。

一方、正常眼圧緑内障では、対処しなくても緑内障が進行しない場合もあります。
このため、眼科治療方針については、患者さんそれぞれの状態を見ながら決めていくことになります。

原発閉塞隅角緑内障

原発閉塞隅角緑内障の場合には、急性の発作を起こす可能性がありますので、早期発見と早期治療が不可欠となってきます。
隅角が完全に閉じていない状態であれば、薬物療法で眼圧を下げ、レーザー治療で虹彩に孔をあけて、房水が流れる通路をつくっていきます。
麻酔は点眼薬で行い、入院する必要もありませんので、早めに受けるようにしましょう。

隅角が完全に閉じている場合には、眼科手術療法によって癒着した部分をはがしていきます。
緑内障の治療を始める際には、その時点で使用している薬を眼科主治医に必ず伝えるようにしましょう。

薬物療法

緑内障の眼科治療の基本は眼圧を下げることが中心になってきます。
内服薬には副作用があるため、点眼薬での眼科治療が主流になっています。
薬物療法では房水の産生を押さえる薬と房水の排出を促す薬の2つに分かれています。

それぞれの薬においても、薬の効き方や効果出る場所が異なってきます。
眼科治療では、状況に応じて作用の異なる薬を複数組み合わせることがあります。

  • β遮断薬

房水の産生を抑制する作用があります。
房水は毛様体のβ受容体が刺激されることによって産生されるので、β受容体への刺激を遮断していきます。

眼圧の低下に高い効果が期待できるとされています。
副作用としては、心臓の拍動が遅くなったり、喘息の発作が起きたり、呼吸困難になることがあります。

  • α₁遮断薬

本来、血圧を下げるために使われる薬となっていますが、房水の排出を促し、眼圧を下げる効果が見られています。
詳しい仕組みは分かっていませんが、比較的副作用が少ない薬となっています。

  • α₁β遮断薬

β遮断薬の房水産生を抑える作用と、α₁遮断薬の房水排出を促す作用の両方を兼ね備えた薬となっています。 副作用については、β遮断薬と似ています。

  • プロスタグランジン関連薬

房水の流れを改善する作用があり、眼圧を低下させるために1番効果があるとされています。
点眼の頻度も製品によっては、1日1回で効果を十分に発揮するものもあります。
房水はシュレム管を通って排出される場合と毛様体の隙間から強膜に流れる場合の2通りに分かれています。
このプロスタグランジン関連薬には、房水が強膜に流れるように促す作用があります。

身体への副作用はそれほどないとされていますが、目においては、結膜の充血や虹彩の色素沈着、皮膚の黒ずみ、まつ毛の増加などの副作用が見られる可能性があります。

  • 炭酸脱水素酵素阻害薬

毛様体で房水を産生するためには、炭酸脱水素酵素が必要になってきます。
炭酸脱水素酵素阻害薬はその名前の通り、炭酸脱水素酵素の働きを抑えていきます。

点眼薬は少しとろみがある液体となっているので、違和感が在るかもしれませんが徐々に慣れていきましょう。
点眼の頻度としては、1日に数回必要になってきますので、忘れないようにしましょう。
以前は内服薬として処方されていましたが、副作用が強かったので副作用が少なくなるように点眼薬が開発されました。

  • 副交感神経刺激薬

毛様体筋が収縮すると線維柱帯のフィルターが広がって、房水が流れやすくなります。
副交感神経刺激薬の副作用としては縮瞳があり、充血や視界が暗くなったり、ぼやけたりして見えにくく感じたり、視野が狭くなるなどの症状が出ることがあります。
その他にも、鼻水や汗、下痢などの副作用が出ることもあるので注意してください。

  • 交感神経刺激薬

交感神経刺激薬は、房水の産生を抑え、房水の排出を促すものとなっています。
瞳孔を広げる作用があるので、点眼後に眩しさを感じることがあります。
また、結膜アレルギーを起こして、充血することもありますので点眼の量に注意してください。
身体への副作用としては、口の渇きや頭痛があります。

緑内障とレーザー治療

原発閉塞隅角緑内障の急性の発作の予防や治療や原発開放隅角緑内障の薬物療法の次の治療法として使われています。

レーザー虹彩切開術

緑内障の急性の発作が起きている場合には、点眼薬や注射、点滴などによってある程度まで眼圧を下げていきます。
加えて、縮瞳薬を点眼して虹彩を緊張させることによって、虹彩を薄くし隅角を広げていきます。
点眼での麻酔を行った後に角膜に特殊なコンタクトレンズをつけてレーザーを当てていきます。
照射する場所としては、虹彩の根元にある線維柱帯やシュレム管近くになります。

この部分に穴をあけてバイパスを作ることによって、房水の通り道を確保します。
レーザー虹彩切開術は、効果が高く、局所麻酔で行うことができるので、入院せず眼科治療を受けることができます。
眼科治療後は、眼圧が安定するまでしばらく安静にしてから、帰宅が可能となります。
原発閉塞隅角緑内障を発作が起こる前に早期発見することができれば、その段階でレーザー虹彩切開術を受けて、緑内障の進行を抑えることができます。
その後も定期的に状態を確認する必要がありますが、通院する回数も減らすことができると思います。

原発閉塞隅角緑内障の発作は、両目同時に起こる確率は低いのですが、片目で発作が起こると、その後もう片方の目でも発作が起こる可能性があります。
このため、もう片方も日を改めて治療しておくことをおすすめします。

レーザー線維柱帯形成術

原発開放隅角緑内障で、薬物療法で眼圧が下がらなかった場合には、レーザー線維柱帯形成術を行っていきます。
原発開放隅角緑内障では、線維柱帯が老廃物などによって詰まって、房水の流れが悪くなることが原因となっています。
レーザー線維柱帯形成術では、弱いレーザーを当てて線維柱帯の詰まった部分を改善していきます。

線維柱帯の詰まりがなくなることによって、シュレム管を通って静脈に排出される房水の流れが改善されます。
レーザーを当てることによって得られる効果の仕組みはよくわかっていませんが、線維柱帯の細胞が活性化して代謝が良くなることによって、詰まった部分が解消されるという説や線維柱帯がレーザーの熱で縮むことによって、線維柱帯の網目が引っ張られて房水が流れやすくなるという説があります。
この眼科治療については、眼圧が高すぎる場合や正常眼圧緑内障の場合にはそれほど効果が期待できないとされており、効果が実感できた患者さんの割合としては、全体の4割ほどにとどまっています。

また、1度眼圧を下げることができたとしても、効果が薄くなって再び眼圧か上がることもあります。
このため、レーザー治療の後にも、薬物療法が必要になることがあります。

緑内障と手術療法

原発開放隅角緑内障を発症していて、薬物療法やレーザー治療で眼圧を下げることができなかった場合や原発閉塞隅角緑内障で隅角が完全に塞がってしまっている場合には、眼科手術療法が行われます。
眼科手術の内容としては、房水の出口を新しく作って、排出されるようにしていきます。

眼科手術には様々な方法があるので、緑内障の種類や進行状況に合わせて、患者さんに合った眼科手術法を選択していきます。

線維柱帯切除術

線維柱帯切除術は、原発開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障に対して数多く行われている眼科手術法です。
眼科手術は、局所麻酔で行われ、隅角近くに穴をあけバイパスを作り、虹彩にも穴をあけ、房水が流れやすくしていきます。
切開した結膜や剥がした強膜をもとに戻して眼科手術は終了となります。
房水は新しく作った排出路を通って、強膜と結膜の間から排出され、結膜の下でリンパ組織などに吸収されていきます。

眼科手術に必要な時間は30分~1時間ほどとなっていて、傷口もまぶたに隠れて目立たないようになっています。
眼科手術後に眼圧が思ったよりも下がらなかった場合には、強膜の糸をレーザーで切って、房水の通り道を広げていきます。

一方で、眼圧が下がりすぎてしまった場合には、網膜の張りがなくなって、視力が低下してしまうことがあるので、注意が必要です。
眼科手術後の合併症としては、結膜の部分に細菌が入って感染症を起こしてしまうことがあります。
感染症を防ぐために、抗菌剤を一定の期間点眼する必要があります。
もし、手術後に白目に充血が見られた場合には、早急に眼科を受診するようにしましょう。

線維柱帯切開術

軽度の原発開放隅角緑内障の場合、線維柱帯切開術が行われることがあります。
この眼科手術法は、房水流出路再建術という種類の眼科手術になっています。
眼科手術は局所麻酔で行われ、線維柱帯切除術と同様に結膜を切開し、強膜をめくって進めていきます。
その上で、器具を使って線維柱帯を切開し、房水の流れを改善していきます。
詰まっていた線維柱帯を切開することによって、房水の通路が確保されます。
この眼科手術法では、線維柱帯切除術のように眼球壁に孔をあけることなく、房水の通り道を確保することができます。
このため、周辺の組織への影響も抑えることができますので、感染症などの合併症のリスクも下げることができます。

ただ、眼圧を下げると言う意味での眼科手術も効果は、線維柱帯切除術よりも薄くなってしまいますので、眼科手術の対象者が限られてきます。
眼科手術前の眼圧がそれほど高くない正常眼圧緑内障の場合には、眼科手術後の効果を十分に得ることができない可能性があります。
緑内障の眼科手術を受けた後は、状態が安定するまでしばらくかかります。
眼圧の増減を観察して、必要があれば追加の眼科処置を行っていきます。
また、眼科手術を受けた後も体に力を入れると眼球を支える静脈圧に影響することがありますので、しばらくは重いものを持つことを控えましょう。
眼科手術後の眼球を下げた状態で、静脈圧が上がると出血や脈絡膜剥離を起こしてしまう可能性があります。
このため、眼科主治医の許可が出るまでは、スポーツやコンタクトレンズなど、目にとって刺激となるものは控えるようにしましょう。

隅角癒着剥離術

原発閉塞隅角緑内障で完全に隅角が閉じて、眼科レーザー治療が難しい場合には、隅角癒着剥離術が行われます。

隅角の癒着してしまった部分を剥がしたうえで、虹彩に孔をあけて房水の通り道を作っていきます。
隅角が閉塞する原因として水晶体の移動も考えられますので、この場合には、水晶体を取り出して眼内レンズを挿入する眼科手術が必要になってきます。

非穿孔性線維柱帯切除術

線維柱帯切除術と同じ種類の眼科手術となっていますが、非穿孔性線維柱帯切除術では全貌まで孔をあけることなく、バイパスを作っていきます。
合併症のリスクを抑えることができるというメリットがある一方で、眼圧が下がりにくいというデメリットがあります。

毛様体破壊術

眼科手術を数回重ねても効果が見られなかった場合には、毛様体破壊術が行われることがあります。
眼科手術の内容としては、房水を産生している毛様体を冷凍凝固やレーザーで壊すことによって房水の産生を押さえていきます。
眼圧を下げることはできますが、1度破壊してしまった毛様体は元に戻すことができず、逆に房水が不足してしまう可能性がありますので、難しい眼科手術となっています。

点眼薬を使用するときの注意

点眼薬の効果を引き出すためには、適量を守る必要があります。
多いからといってよく効くわけではなく、1滴で十分な量となっています。
目薬の差し方としては、まず手や指先を清潔な状態にすることから始まります。
その上で、薬の容器がまつ毛に触れないようにすることや溢れた薬をふき取ること、複数の点眼薬を使う場合には5分の間隔を空けることに注意して点眼していきましょう

容器が目に触れると、雑菌が入って繁殖してしまう可能性があるので注意してください。
また、点眼後に目を閉じて目頭を軽く押さえることによって、薬が全身に回ることを防いで、副作用を最小限に抑えることができます。
複数の点眼薬を使うときに5分の感覚を空けることに関しては、前の点眼薬が浸透する前に流れてしまうことを防ぐためです。

緑内障の治療中の生活

緑内障の治療が始まっても、生活を制限されることはありませんが、眼圧のコントロールのために点眼薬を忘れないように心がけましょう。
眼科主治医に指示に反して勝手に点眼を止めてしまうと、眼圧が再び上がってしまう可能性があります。
緑内障という病気においては、視神経が障害されることによって欠けた視野を元に戻すことはできませんが、これ以上進行させないようにしようという気持ちを大切にしましょう。

病気の進行が比較的ゆっくりであったり、自覚症状が出にくかったりするので発症後も対応を疎かにしてしまう患者さんもいらっしゃいますが、眼科治療に影響が出ますので十分注意してください。
レーザー治療や眼科手術療法を受ける時だけではなく、定期的に眼科に通院するときも眼科医師とコミュニケーションをとりながら、疑問があれば相談してみましょう。
生活に特別な制限はありませんが、緑内障の発作につながるような眼圧を上昇させる行為はできるだけ避けるようにしましょう。

例としては、極度の興奮や緊張を避け、ストレスを定期的に解消していきましょう。
また、暗いところで目を長時間使うことや長時間うつむいた状態を避けるようにしましょう。
飲み物としては、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインが含まれているものは摂りすぎないようにしましょう。
薬としては、ステロイド剤を長期間使用すると、眼圧が上がることがありますので、内科や皮膚科などで処方されている場合には、眼科主治医に相談しましょう。

緑内障を症状から自己診断することは難しいので、定期的な眼科への受診が必要になってきます。
眼圧や眼底、視野の状態については検査を受けないと分かりませんので、経過観察を継続していきましょう。

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